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京都の名物食堂「わびすけ」閉店へ 100年の歴史に幕

2011年6月29日

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写真:思い出の詰まった「いもねぎ定食」を運ぶ中井咲子さん=京都市上京区、高橋一徳撮影拡大思い出の詰まった「いもねぎ定食」を運ぶ中井咲子さん=京都市上京区、高橋一徳撮影

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 同志社大のそばにあり、学生や観光客らに親しまれてきた和風食堂「わびすけ」(京都市上京区)が30日、閉店する。100年近い歴史があるが、客が減り、後継者も見つからないため、第4代主人の中井咲子(さくこ)さん(78)が「心苦しおすけど……」と覚悟を決めた。

 店は、同志社大・今出川キャンパス西側の烏丸通沿いにある。町家の格子戸や使い込んだ木のテーブル、革張りの椅子が並ぶ店内は、タイムスリップしたようなレトロな雰囲気だ。

 前身は、中井さんの祖父が大正初期に開いた喫茶店「中井ミルクホール」。画家でもあった父が引き継いだ後、1957(昭和32)年に店名を「わびすけ」にした。京都の寺院などでよく見かけるツバキの一種、侘助(わびすけ)からとった。

 名物メニューは、オープン当初から続く「いもねぎ定食」(900円)。刻んだジャガイモとタマネギを炒めて卵でとじ合わせ、ミンチ肉を載せたもので、好みでケチャップやしょうゆなどをかける。

 素朴で家庭的な味と、皿からあふれるほどのボリュームが受け、学生や近所の住民に人気が出た。元衆議院議長の土井たか子さんは法学部生だったころからの常連。ニュースキャスターの故筑紫哲也さんや、歌手の小田和正さんは京都に来るたびに顔を出した。ガイドブックにも頻繁に掲載され、観光客も訪れた。

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