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【芸能・社会】

三宅島の廃校で先行上映! 「ロック〜わんこの島〜」

2011年7月2日 紙面から

「三宅島パネル展」オープニングイベントに出席した(左から)三宅島観光協会の浅沼徹哉会長、三宅村の平野祐康村長、石原慎太郎都知事、佐藤隆太、中江功監督

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 23日に全国公開される俳優佐藤隆太(31)の主演映画「ロック〜わんこの島〜」が、今月中旬に、舞台となった三宅島(東京都三宅村)の廃校で先行上映されることが1日、分かった。テーマは大噴火からの復興と家族のきずな。三宅村の平野祐康村長(63)は、映画公開を記念してこの日東京都庁で始まった「三宅島パネル展」で、「映画を見て、当時を思い出して泣けてきた。東北地方で実体験の話をしたい」と宣言した。東日本大震災の被災地にとっても、この作品が復興への光になりそうだ。

 映画の舞台は、2000年8月の雄山(おやま)大噴火により全島民が島外に避難した三宅島。飼い主の家族と離れ離れになり、奇跡の再会を果たした犬「ロック」を通して家族のきずなを描く。モデルは実在した民宿の看板犬で、「復興のシンボル」として各メディアにも取り上げられた。

 作品には、島民から集めたエピソードが多数盛り込まれた。ぜひ見てもらいたいが、島には映画館がない。そこで07年3月に廃校になった旧阿古小学校の体育館にスクリーンを用意し、先行上映会を開くことになった。

 7月中旬の2日間で3回上映し、島民計1000人以上を招待する。佐藤と中江功監督、他の出演者も登壇予定。配給の東宝が日程を詰めているが、15日はモデル犬ロックの一周忌でもあり、メモリアルな上映会になるのは間違いない。

 きっかけは昨春の約束だった。この日、東京都庁で始まった「三宅島パネル展」で、中江監督は「(昨春の)ロケハンで島を訪れたとき、村長に『ひとつだけお願いがある。完成したら島で上映してほしい。この島が元気になるし、みんなに知ってもらえる』と言われた」と明かした。

 噴火前は約3800人が住んでいた三宅島。05年2月に避難指示が解除されたものの、有毒な火山ガスが噴出し続けており、現在の人口は約2800人。まだまだ復興の途上にある。それでも平野村長は東日本大震災の被災者を思いやった。

 「映画は当時を思い出して泣けてきました。今は東北の人も苦しい毎日を過ごしている。東北に出向いて実体験を話し、これから大変なこともあるけど、しっかりやればふるさとに帰れるんだと伝えたい」。すでに福島県郡山市などを訪問しており、7日には同県飯舘村に行くという。

 パネル展には石原慎太郎都知事(78)もサプライズ登場。「東北も大変だけど、こっちも大変なんです。三宅島に友情を感じてください。この映画がそのきっかけになればいい」と呼びかけた。

 

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