高速増殖原型炉「もんじゅ」(敦賀市)の今後のスケジュールについて、西川一誠知事は28日の県議会一般質問で、「運転継続について議論する段階ではない」と述べ、福島第1原発の事故を受けた安全面の確認や、炉内中継装置が原子炉内に落下した影響の評価が先との見解を示した。もんじゅを運転する日本原子力研究開発機構は、次の主要な性能試験となる40%出力試験を今年度中に始める計画だが、知事の発言は同試験の開始時期を巡る議論にも影響しそうだ。【安藤大介】
細川かをり議員(無所属)の質問に答えた。細川議員は「(福島の事故で)原発のシビアアクシデント(過酷事故)を『想定内』として考えなければならない。(プルトニウムを燃料とし、ナトリウムを冷却材に用いる)もんじゅの過酷事故は想像を絶する」と述べ、知事の今後の運転継続についての考えをただした。
知事は、「落下し、引き抜かれた炉内中継装置について国が検証し、原子炉容器内に影響がなかったかどうか評価することが必要だ。全電源喪失事故時のナトリウムの挙動など、もんじゅ固有の課題の有無についても再検証が必要だ」と答弁した。
毎日新聞 2011年6月29日 地方版