2011年07月01日

00.社会

52年の歴史に幕 「近鉄会館」9月で閉鎖

近鉄会館(和歌山市友田町)

9月末の閉鎖が決まった近鉄会館

ファストフード店などがテナントに入る近鉄会館(和歌山市友田町)が、建物の老朽化のため9月末で閉鎖する。 かつては和歌山近鉄百貨店として親しまれた建物が、 52年の歴史に幕を下ろす。 同館には近鉄カルチャーセンターが開講しており、多くの受講生が通っている。 文化活動の場としても定着している場所だけに、「なくなるのは残念」 と講師や受講生たちから閉鎖を惜しむ声が上がっている。

建物は昭和33年に建設され、 現在は(株)近鉄百貨店が所有している。 鉄筋コンクリート5階建てで、 延床面積は8526・81平方メートル。 現在1階はテナントが入居し、 2階はカルチャーセンター、 3、 4階は同社の事務所として使われている。 中でも、 カルチャーセンターは62年に開講。 現在155の講座があり (4月末時点)、 会員数は約1200人。 駅から近い好立地で平成16年のピーク時には約220講座があり、 会員は約2100人いたという。

築後52年が経過し、 耐震診断を実施したところ、 将来的な安全性を考えた上で何らかの配慮が必要と判断。 いったん閉鎖することを決めた。 建物は取り壊さないという。 閉鎖に伴い同社は、 現在1階の美容室や居酒屋、 ファストフードチェーンのテナントへ退店を求めており、 3、 4階にある事務所の移転も検討中。 大勢の生徒を抱えるカルチャーセンターの講座の今後については、 担当者が講師一人ひとりの個別相談を受けており、 受講生には近隣のカルチャー教室を紹介するなどしている。

開講当時から生け花の講師として指導する中森慶甫さんは 「おけいこ事の先駆けで、 この近鉄カルチャーに通うのが時代の最先端というような時もあった。 寂しい思いもある」 と話し、 同社の総務本部は 「長年ご愛顧いただいた皆様には感謝の気持ちでいっぱい。 できることなら続けていきたいが、 お客様の安心・安全は大事な部分。 大変残念だがやむを得ない」 としている。




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