一日午前三時すぎ、東京都葛飾区鎌倉四、自民党都議の樺山卓司さん(63)=葛飾区選出=の自宅兼事務所で、樺山さんが頭からポリ袋をかぶってぐったりしているのを家族が見つけ、一一九番した。樺山さんは病院で死亡が確認された。警視庁は事件性はなく、自殺とみて調べている。
関係者によると、樺山さんはポリ袋の端を粘着テープで留めた状態で見つかった。
樺山さんは日本大法学部卒。葛飾区議を三期務めた後、一九九三年に都議に初当選、現在五期目。
東京都議会(定数一二七、欠員一)は、自民党の樺山さんの死去によって与野党勢力が逆転し、自民、公明の知事与党は劣勢となる。一日は六月議会の最終日で、議案の成立などに影響を及ぼす。
二〇〇九年七月の都議選で過半数を得た野党は、築地市場(中央区)移転問題で都に再考を求めるなど影響力を行使してきた。しかし今年三月、民主都議(後に辞任)が造反し、民主選出の議長を除くと与党が一議席差で野党を上回った。このため、三月議会では、築地市場の移転関連経費二十一億円の予算案が成立、移転問題は大きく前進した。
樺山さんの死去で与野党は同数となり、採決は民主の議長裁定で野党の意向が反映されることになる。一日で消滅する見通しだった築地市場と新銀行東京の両特別委員会も、存続する可能性が出てきた。また、民主の議員提出議案「省エネルギー条例」も成立の見通しとなった。
一日は各党で議会対応の協議が長引いており、本会議の開会時間は予定の午後一時から遅れている。
樺山氏の葛飾選挙区は定数四で欠員一となるが、一三年七月の任期満了まで補欠選挙は実施されない。
樺山さんの死去に伴う都議会の会派別構成は次の通り(欠員二)。▽民主五一▽自民三八▽公明二三▽共産八▽生活者ネット・みらい三▽無所属二
この記事を印刷する