離婚調停に勝つ方法~(2)
テーマ:離婚離婚調停に勝つ方法 その②
条件はできるだけ多く、大きく主張しておく。
離婚にあたり、決めるべき事項は結構多い。
離婚するかどうか
親権
養育費
財産分与
慰謝料
面接交渉,etc.
これらの中で、財産分与や慰謝料など経済的事項はもちろんであるが、親権や面会の方法など、絶対ゆずれない事項が必ずある。
こうした譲れない事項は人それぞれなので、
自分の「絶対的譲歩不可事項」を明確に定めておき、できるだけ表には出さないようにしておく。
そして、譲歩できる「譲歩可能事項」はできるだけ多く、大きく主張しておく。
たとえば、「親権」が絶対譲れない「絶対的譲歩不可事項」だとすれば、
「譲歩可能事項」として、財産分与、慰謝料、養育費などを主張しておく。
仮にこれらの事項が全く重要でなくとも、優先順位が高いように主張しておく。
財産分与や慰謝料などは、到底無理だと思えるレベルで主張してかまわない。
調停委員に一笑に付されても構わない。その①でも述べたが、調停委員の態度はいちいち気にしない。
(その①で述べたとおり、調停委員の態度に翻弄されていては、調停のイニシアティブをとることはできない。)
この戦略は、絶対的に効果があるわけではないが、相手に心理的圧迫を与えるとともに、調停成立後も納得のいく調停ができたと相手に思わせるのに効果的な戦略である。
むろん、調停は相手のあることであるから、相手も親権を絶対ゆずれないと主張して、話し合いが平行線であれば、調停ではあきらめざるを得ないことは言うまでもない。
ちなみに、上記例とは逆に、親権はあげてもよく、財産分与が絶対的譲歩不可事項だとすれば、親権を優先順位が高い条件として主張しておく、ということになる。
当たり前のことのように思えるかもしれないが、
優先順位の低い条件を全く主張しない人、主張してもすぐに引っ込めてしまう人が実に驚くほど多く、
仮にそうしても早期解決につながるわけではないので、あえて取り上げた次第である。 また、これは詐術を用いよと言っているわけではない。
また、誤解のないように言っておくが、あくまで正当な権利があるのに、主張しないのは、もったいないですよ、という考えが根底にあるのであって、そもそも法的な権利もないのに、あるかのごとく主張せよ、詐術を用いよ、ということではない。
以上が、戦略その②。
ただし・・・あまり譲ってもいい事項をあまり強情に主張していると、誰もかれもがあきれて話し合いどころでなくなるので、ほどほどに・・・過ぎたるは及ばざるが・・とかなんとか。
続く。
竹村総合法律事務所