アホウドリも津波被害、ヒナ11万羽犠牲

  • 2011年 06月30日 14時35分
  • 提供元:読売新聞
 三陸沿岸から約4000キロ離れた北太平洋のミッドウェー諸島(米ハワイ州)を、3月11日の東日本大震災の津波が襲い、コアホウドリなどのヒナ11万羽以上が犠牲になったことが、このほど現地を訪れた海洋写真家、杉森雄幸さん(40)の取材で明らかになった。
 杉森さんが現地の米魚類野生生物局(FWS)関係者から得た情報によると、主要な津波は3月10日午後11時36分(日本時間11日午後7時36分)に第1波が襲来し、第4波まで確認された。高さは最大1メートル50に達し、諸島中最大のサンド島は20%、2番目のイースタン島は60%が冠水した。
 当時、サンド島にいた滞在者81人は全員無事だったが、平坦(へいたん)な島々に生息するコアホウドリやクロアシアホウドリのヒナが流されるなどして大量に死んだ。4月上旬の調査では今年生育中のヒナの約22%に当たる11万羽以上が失われた。イースタン島では昨年11月、伊豆諸島の鳥島を巣立ったアホウドリのつがいが初めて産卵し、ヒナ1羽が成長。ヒナは津波で流されたが、現地関係者に救出され、6月17日までに巣立ったことがFWSによって確認された。(編集委員 藤野 彰)

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