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「節電の夏」逆手に 集客狙って商いに知恵

2011年07月01日

 「節電の夏」が1日から本格的に始まる。公共施設などでは冷房の設定温度が引き上げられ、企業や自治体はサマータイムや自動車業界の休日振り替えなどの対応にも追われる。そんなムードを逆手にお客さんを呼び込もうとする動きもある。

 宇都宮市の東武宇都宮百貨店9階のビアガーデンは、今年初めて「2時間飲み放題、食べ放題」のプランを設けた。「屋外で長時間食事すれば自宅の節電に効果的」とアピールする。震災後、売り上げは落ち込み気味だが、今夏は昨年と同程度の売り上げを目指すという。

 23店が軒を並べる同市中心部の「屋台横丁」は、一斉に電気を消し、ろうそくをともして営業するイベントを検討している。3月の計画停電時に一部の店がろうそくの明かりで店を開けたところ「雰囲気がいい」と好評だったという。運営会社の社長は「空元気でも震災後の苦境を乗り切りたい」と意気込む。

 足利市は7月中旬から8月末日まで、月〜金曜日の日中に限り、市営のプール施設3カ所を無料開放する。「夏場の節電対策を支援するため」といい、市外の人も利用できる。

 宇都宮市今泉3丁目の温浴施設「南大門」は、1日から9月30日まで、朝風呂のワンコイン(500円)サービスを始める。午前4時半から最終受け付け同7時半まで。水風呂の温度も2〜3度下げた。「節電で寝苦しい夜を過ごした人、サマータイムで朝早く出勤する人に利用してほしい」と同店。

 料理教室「ABCクッキングスタジオ」では1日から全国で、平日午後4時〜午後6時に始まるレッスンの参加者に、低アルコール飲料1本プレゼントなどのキャンペーンを始める。JR宇都宮駅前の同「ララスクエア宇都宮スタジオ」では、平日午後4時開始の菓子やパン作りのコースを、週2回から毎日に増やす。

 宇都宮市は学童保育を実施する「子どもの家」など65カ所のうち3カ所を、7〜9月は日曜も開くことにした。サマータイムにも備え、約30カ所で開所時間を約1時間前倒しする。

 一方、節電対策から9月までの3カ月間、平日を月3日休むパチンコ店は複雑だ。宇都宮遊技業組合連合協議会は、市内の66店にくじ引きで休日を割り振った。店からは「休前日は休みたくない」などの不満もあったが「全ての希望を聞いていられない」と押し切ったという。
(吉野太一郎、樋口彩子、佐藤孝則)

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