ゴール前で闘莉王(左)と競り合う高木=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで(伊東朋子撮影)
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名古屋グランパスは30日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで、2日の仙台戦(ユアスタ)に向けて練習した。GK高木義成(32)は、左手小指を負傷したGK楢崎正剛(35)のためにも、7年ぶりのJ1先発となる仙台戦での必勝を誓った。
仙台戦を2日後に控えたGK練習。フィールドプレーヤーの軽めの練習を終えたDF闘莉王がFW役を務め、高木は伊藤GKコーチが放り込むクロスに対応した。いつも通りの練習で、7年ぶりのJ1先発に備えた。
楢崎が負傷し、途中出場した25日の浦和戦(豊田ス)が東京V時代の2005年以来のJ1出場だった。巡り合わせとは不思議なもので、その年も真夏の7月に6試合が行われ、Jリーグが「ホット6」と銘打ったプロモーションを展開していた。7年前はその期間に最も勝ち点を挙げたG大阪が優勝したが、2分け4敗と苦しんだ東京VはJ2に降格。高木は6試合すべてにフル出場し、26失点を喫した。「ホット6なんて大嫌い。書かないでよ」と言う屈辱の思い出だ。
グランパスでの「ホット6」は先発出場が濃厚な仙台戦から始まる。しかし高木は「グランパスは東京Vとは違う」ときっぱり言い切った。「今は7位だがグランパスは昨年の王者。どの選手も自分の役割を分かっているから優勝があった」。第2GKとしての自分の役割は、誰もが認める存在になるか、アクシデントに対応するか。今回の出番は後者でも、前者を目指して日々、準備を重ねてきた。
楢崎は11年連続で主将を務めるグランパスにとって絶大なる存在。中でも同じGK練習をこなしてきた高木にとっては特別な存在だ。「僕のナラさん(楢崎)のためにという気持ちは人一倍強い。それはほかのチームにはない力を生むはず」。チームが優勝を果たした昨年、J1出場はなかった。高木はグランパスでの「ホット6」を、自らの力で熱くする。 (伊東朋子)
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