東京電力福島第一原子力発電所では、「循環注水冷却」のシステムで汚染水の浄化設備のトラブルが相次ぎ、特に人為的なミスが目立つことから、東京電力は、操作や点検のマニュアルにミスの再発防止策を盛り込むなど、充実を図ることにしています。
福島第一原発では、汚染水を浄化して再び原子炉の冷却に使う「循環注水冷却」のシステムが先月27日からスタートしましたが、水漏れなどのトラブルで停止するケースが相次いでいます。特に汚染水の浄化設備では、作業員が配管の弁を誤って操作してしまったり、弁の設定を間違えたりといった、人為的なミスが目立つということです。この浄化設備は、高濃度の汚染水を処理するため、内外の技術を持ち寄って、いわば突貫工事でつくられたもので、管理や運用の面で事前の想定や準備が不足していたことは否めず、作業員が訓練や試運転を通じて設備に習熟する機会も十分ではありませんでした。このため東京電力は、浄化設備の運転を続けながらミスを減らしていく対策を取らざるをえないとして、設備の操作や点検の方法をまとめたマニュアルの充実を図ることにしていて、ミスが起きた場合には再発防止策を速やかに盛り込みたいとしています。