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きょうのコラム「時鐘」 2011年7月1日
月が替わり、もう1年の折り返しである。節目の時だが、今年はおかしい。梅雨も明けないのに猛暑が襲う。節電の心構えにけんかを売るようなけしからぬ気候である
もっとも、四季や暦は、われわれが勝手に決めたこと。自然界そのものに規則正しい季節があるわけではない。時ならぬ酷暑が続くからといって、太陽を恨んでも仕方あるまい 今年はもう一つ別の暦がある。「3・11」から始まる震災カレンダーで、あの日から重い時間が流れ始め、暮らしにのしかかっている。震災の暦は諸事、歩みがのろい。あれから3カ月半。なお不明者が約7200人とは、どうしたことか。先が見えない原発事故の処理は、時間が逆戻りしたようである 木曜、金曜が休日で土日は仕事。そんな暦までできて、北陸の工場でも使われることになる。ややこしい二つの暦だが、節電の夏を乗り切る知恵として上手に使いたいものである 慣れ親しむ暦によれば、きょうは「氷室の日」。無病息災を願う節目の日である。先のことになるのだろうが、震災が生んだ厄介な暦も無事に役目を終えることを念じたい。 |