【ジュネーブ共同】国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産への「平泉の文化遺産」の登録決定から一夜明けた26日、達増拓也知事はジュネーブの欧州合同原子核研究所(CERN)を訪問、東日本大震災からの復興に向け、県に巨大な科学研究施設を誘致することに意欲を示した。
県が誘致しているのは、全長30~50キロの直線型加速器「国際リニアコライダー」。宇宙誕生と進化の謎を解明するための実験を行う超大型装置で、達増知事は、現在世界最大級の加速器を有するCERNの状況を把握するため、日本人研究者から説明を受けた。
知事は、誘致予定地の北上山地が震災にも耐えた頑丈な地盤であることを強調。「北上山地は重要な資源であり、今後世界中の研究者らを受け入れる環境整備を行い、国際社会に資源の活用を訴えていきたい」と話した。
国際リニアコライダーの建設候補地には、CERNや佐賀、福岡両県にまたがる脊振山地なども挙がっている。
毎日新聞 2011年6月28日 地方版