■ 臓器売買、資料に名前使われたと証言
医師と暴力団による臓器売買事件で、逮捕された医師のクリニックに勤務していた元職員がJNNの取材に応じ、医師が実際に移植手術を受ける際、病院に提出した資料について、勝手に名前を使われたことなどを証言しました。
「全くもって筆跡が違いますね。私は全然これ(サイン)を書いた覚えはないですし」(堀内クリニックの元職員) こう証言するのは、逮捕された医師、堀内利信容疑者のクリニックで勤務していた元職員の男性です。堀内容疑者は暴力団組長の仲介で20歳の男性と養子縁組を結び、宇和島徳洲会病院で親族間の生体腎移植手術を受けていましたが、手術前、病院側に移植の正当性を主張する資料を提出していました。 資料には元職員の署名入りの文書も含まれていましたが、当の元職員は、署名した覚えはないと話します。 「サインしてくれと言われたが、臓器移植が絡んでいるのは分かっていたので、拒否しました」(堀内クリニックの元職員) 文書にはこんな記述もありました。 「院長の志を理解し尊敬しているA君(提供者)の真っ直ぐな気持ちはとても清々しい感じです」 しかし、元職員は臓器提供者の男性と会ったことはないといいます。 (Q.ドナーの男性とは?) 「私は1度も会ったことがない」(堀内クリニックの元職員) 警視庁は、資料は移植を受けるための偽装工作だったとの見方を強めています。 30日午前、警察庁の安藤長官はこのように述べました。 「公正性が求められる移植医療に暴力団が介在することは許されることではなく、警察としては今後、捜査を徹底して、その全容を明らかにしていく」(警察庁 安藤隆春 長官) 移植手術をめぐる深い闇・・・。警視庁は、移殖が行われたいきさつについて、さらに捜査を進めています。(30日16:31)
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