臓器売買を巡って東京の内科クリニックの医師が逮捕された事件で、この医師が愛媛県の病院で移植を受ける際、少なくとも数人の暴力団関係者が腎臓の提供者探しなどに関わった疑いがあることが分かり、警視庁は、暴力団が役割を分担しながら組織的に仲介を行っていたとみて調べています。
東京・江戸川区で内科クリニックを経営する医師の堀内利信容疑者(55)は、暴力団員に1000万円を支払って自分に移植する腎臓の提供者探しを依頼したとして、臓器移植法違反などの疑いで逮捕されました。これまでの調べで、堀内医師は、容疑事実となった最初の交渉が決裂したあと、別の暴力団幹部から腎臓の提供者の21歳の男性を紹介され、親子関係にあるとする書類を愛媛県の宇和島徳洲会病院に提出して移植手術を受けたことが分かっています。警視庁のその後の調べで、この移植の仲介などには暴力団幹部やその関係者少なくとも数人が関わった疑いがあることが分かりました。この中には、21歳の男性に腎臓を提供する見返りに借金を帳消しにすることを持ちかけた人物や、最初の交渉の決裂でトラブルになっていた堀内医師と暴力団員との仲裁に入った人物などがおり、暴力団幹部の指示の下で役割分担をしていたとみられるということです。警視庁は、暴力団が組織的に移植の仲介を行っていたとみて捜査しています。