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臓器売買事件:堀内容疑者、病院へ提出の文書を偽造か

 生体腎移植を巡る臓器売買事件で逮捕された堀内利信容疑者(55)が宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)で移植を受けた際、「養子縁組したドナー(臓器提供者)の男性が堀内容疑者の腎不全を心配している」という内容の文書が同病院の倫理委員会に提出されていたことが捜査関係者への取材で分かった。文書は堀内容疑者が院長を務めるクリニックの職員名で作成されたが、警視庁組織犯罪対策4課は、臓器提供が自発的だと強調する目的で堀内容疑者が偽造したとみている。

 捜査関係者によると、文書はクリニック職員がドナーの男性(21)について証言する体裁だった。「(ドナーは)院長(堀内容疑者)の娘とネット上のゲームのコミュニティーサイトで知り合い、院長と家族ぐるみで付き合うようになった」「(ドナーは)院長の医学に対する姿勢に触れて院長を尊敬している様子で、病気のことを心配している好青年」などと記されていた。

 2人の親密な関係を列挙しているが、この職員は組対4課の調べに対し、「自分が作ったものではない」と話しているという。堀内容疑者は指定暴力団住吉会系組幹部から紹介されたドナーと養子縁組を偽装したとされ、組対4課は、堀内容疑者が職員の名を勝手に使って文書を作成したとみている。

 同病院での移植手術を巡っては、堀内容疑者から依頼された弁護士が「腎臓提供は自発的で、金銭授受はないと思われる」という報告書を倫理委に提出したことが既に判明している。【川崎桂吾、前谷宏、喜浦遊】

毎日新聞 2011年6月29日 15時01分

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