暴力団組員に現金を支払い生体腎移植を受けようとしたとして臓器移植法違反容疑で逮捕された医師堀内利信容疑者(55)が、逮捕容疑とは別に養子縁組し腎臓の提供を受けた男性(21)が書いたとされる文章や、同容疑者が自身の病状を訴えた書類を、腎臓移植手術を実施した宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)に提出していたことが28日、分かった。
男性が書いたとされる「腎臓を使ってもらうことで本当の親子になれる」との文章や、堀内容疑者のクリニック関係者の書面もある。
書類は共同通信が入手。堀内容疑者と男性が並んだ写真1枚を含め10枚で、移植を受けたい同容疑者が2人の親しさを示した内容。
徳洲会関係者によると、移植手術前月の昨年6月ごろ提出され、移植手術の妥当性を判断する同病院の倫理委員会で参考にされた。警視庁はこの男性からの腎移植でも暴力団組員が関わっていたとみており、同病院から書類の提出を受け慎重に調べている。
書類では、男性の署名とともに「テレビで移植のことを知った」「自分の体の一部で透析から(腎不全の堀内容疑者が)解放されるならぜひ腎臓を使って欲しい」と記述。養子縁組については、親の借金や満足に食事を食べさせてもらえなかったことを理由に挙げた。