2011年6月27日3時2分
生体腎移植のために臓器を売買しようとした事件で、臓器移植法違反容疑などで逮捕された医師の堀内利信容疑者(55)が2008年秋ごろ、妻の知人女性を提供者(ドナー)に仕立てて移植を受けようとしていたことが捜査関係者への取材でわかった。女性が拒否したため、移植は実現しなかったという。
同容疑者は同年春ごろにフィリピンでの移植に失敗した後、この女性を含め国内での移植を模索したがうまくいかず、暴力団ルートを頼ったとみられる。移植は10年7月、養子縁組した埼玉県越谷市出身の男性(21)をドナーに実現。ドナー候補として浮上したのは、この女性を含め3人目だったとみられる。
関係者によると、堀内容疑者は08年9月ごろ、今回の事件で手術を受ける予定だった東京都板橋区内の病院で受診。「知人の女性をドナーにして手術を受けたい」と申し出たという。
捜査関係者によると、このときのドナーは、堀内容疑者の妻則子容疑者(48)が経営する会社の40代の女性従業員。だが、女性が、生体移植は健康に悪影響を及ぼす可能性があり、養子縁組などの戸籍上の操作も必要であることを知り、ドナーになることを拒否したという。堀内容疑者は08年末ごろ、同病院に断りの連絡を入れたという。