養父市の市立小学校で、2年生の女児(8)が給食のデザートを時間内に食べられなかった。担任の男性教諭は他の児童にじゃんけんさせて、勝った児童に残ったデザートを食べさせた。女児の父親(47)は「娘はおとなしい性格で、本当は食べたかったのに本心を言えなかった。担任はもっと気を配るべきだった」と市教委に抗議した。市教委は市内の全小中学生を対象に学校給食に関する実態調査を実施した。
市教委によると今年度、女児は給食の時間内にデザートが食べられなかった。女児が「残す」と言ったため、他の複数の児童にじゃんけんをさせて、勝った児童にデザートを食べさせた。児童が残した給食を、他の児童にじゃんけんさせて食べさせたのは、この女児のケース以外にも2回あったという。
女児の父親によると、女児は今月下旬に帰宅後「本当は楽しみにしていたのにデザートを食べられなかった」と打ち明けたという。父親は「楽しいはずの給食を嫌にならないか心配だ」と反発している。
市教委は市内の公立11小学校、4中学校の児童、生徒に「給食の時間は楽しいですか」「時間までに食べきれない時どうしていますか」などを尋ねるアンケート調査をした。校長にも給食指導について質問する調査を実施した。
片芝忠政教育長は「担任がもう少し女児の気持ちを推し量っても良かったと思うが、大きな過失はなかった。給食が児童にとって楽しい時間になるようにしたい」と話している。【吉川昭夫】
〔但馬版〕
毎日新聞 2011年6月30日 地方版