さいたま市在住の会社役員、阿久津一郎さん(80)が発明し特許を取った装置は、水と重力と浮力のみを駆使して電気を生み出す。太陽光や風力ではない、時間や天候に左右されない“究極の自然エネルギー”は「アクツ・エコ・サイクル」と名づけられた。装置は「球体循環装置」であり、パチンコ玉を中に入れた重さ約23gのピンポン球を20個、水で満たされた高さ2メートルほどのアクリルパイプの中を浮力で上にあがり、その球は水面にたまっていき下から押し出され落下管に入って落下。落下した球は歯車に衝突、歯車を回した後、再びアクリル管に戻って浮上を繰り返す。回った歯車で電力を発生させ、ライトがわずかに灯る。この装置で生じる電力は1Wにも満たないというが、装置をもっと大きくし球の大きさを変えれば、理論上電力はそれに比例して大きくなるという。物を落とせばエネルギーは生まれる。しかし落としたものをどうやって持ち上げるか。ある日、練習用の水に浮くゴルフボールを手にしたときひらめいたという。
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