軍には３種類あった。 上級軍（総軍）　中級軍（方面軍）　下級軍（軍、航空軍） であり 大本営−総軍−方面軍−軍−各師団　 という編成が一般的であった。 軍司令官も、中級軍以上の多くは大将が、 下級軍は中将がそれぞれ親補された。

　関東軍　　　通称　徳

　大正　８年　４月　関東庁設置、同日関東軍設置　（軍令陸第１２号）
　昭和１７年１０月　総司令官　総参謀長と呼称　（軍令甲８０）

　明治３８年　９月　日露両国によるポーツマスの講和条約に基づき、
　わが国は鉄道線保護のため守備兵を置く権利を得る。
　のちに関東都督が設けられ、関東州及び南満州にある所在の軍隊の指揮権を有することとなった。
　これが関東軍の前身である。
　満州事変ののち、日満議定書の締結により満州国の防衛は日本が任うことになり、
　また対ソ戦備を第一の方針としたので、関東軍の役割は極めて大きいものがあった。

　大東亜戦争勃発後は南方戦線強化のため、関東軍隷下兵力の多くは抽出転用された。
　その結果ソ連の侵攻には苦戦を強いられ、一部の玉砕部隊を出した上に
　ソ連の蛮行−在留邦人の悲劇を生んだのである。
　

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　支那派遣軍　　通称　栄

　昭和１４年　９月　編成　（大陸令３６２号）

　従来、華北・華中・華南のそれぞれ独立していた各軍を統一し、
　在支那大陸の政略・戦略を統括し速やかに支那事変を解決することを目的とした部隊。
　支那派遣軍は数々の大作戦を実施すると同時に国民政府（重慶政府）に対する和平工作を行った。
　また一方では、共産党ゲリラとの掃討、支那大陸に進出してきた米空軍との戦闘
　支那北方での対ソ戦準備、さらには広大な占領地を確保するための治安行動など、
　目覚しい活躍を示した。
　終戦時の全兵力は約１０５万といわれている。
　

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　南方軍　　通称　威

　昭和１６年１１月　編成　（大陸令第５５５号）

　大東亜戦争にあたって、南方戦線の作戦−進攻・防衛に任じた部隊。
　開戦劈頭の進攻作戦により広大な地域を占領、のち占領地行政や各種物資の内地還送を担うこととなった。
　その後戦争の激化に伴い戦線は縮小され、｢絶対国防圏｣の防備外となることが多く
　日本本土との連絡が途絶されたまま、長期持久戦により南方要域を確保し終戦を迎えた。
　

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　第１総軍　　通称　東方

　昭和２０年　４月８日　大陸令第１１９７号によって内地防衛軍戦闘序列を解き、新たに
　昭和２０年　３月　編成

　決号作戦に備え本土を東西に二分する作戦地域を担当する総軍として新設された。
　東北・東部・東海軍管区の防衛に任じ、中でも重点正面は関東平野であった。
　鹿島灘に第５１軍・九十九里に第５２軍・相模湾に第５３軍がそれぞれ配備され、
　決戦兵団として第３６軍が控置されていた。
　

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　第二総軍　　　通称　西方

　昭和２０年　３月　編成

　中部及び西部軍管区の防衛に任じ、重点正面は南九州　特に米軍上陸が予想された志布志湾であった。
　宮崎海岸に第５７軍、吹上浜に第４０軍が配備され、
　決戦兵団として第２５、第２１５師団等が控置されていた。
　

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　航空総軍　　　通称　帥

　昭和２０年　３月　編成

　決号作戦構想が進むにつれ、旧来指揮系統が複雑であった陸軍航空部隊の統一指揮を目的として新設された部隊。
　作戦のみならず軍政・教育を含めた航空全般の指揮を担っていたが、統帥範囲は、地上方面軍との関係から
　北東方面を除く内地・朝鮮の航空部隊とされていた。
　全航空部隊統一指揮の態勢は整い、特攻を主とする航空決戦の指揮発動に至ることなく終戦となった。
　

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　防衛総司令部　　　

　昭和１６年　３月　編成
　昭和２０年　４月　廃止

　本土防衛−特に防空強化の意味から新設された司令部。
　天皇に直隷し防衛に関して内地・朝鮮・台湾軍を指揮し、海軍と共同して本土防衛にあたることとされた。
　警備・情報収集・整理などの諸業務に任じ、司令部のみ設置され実施部隊は有しない。

　昭和２０年　決号作戦準備に入り、内地防衛のための師団・軍が次々新設された。
　この兵力増強に対処するため総軍が創設され、旧来の防衛総司令部は廃止された。