和歌山で“闇ユッケ”横行!?地域で差がある生肉検査

2011.06.30


「えびす」の食中毒事件で全国的に衛生基準を調べてみたら違反店が続々と出てきたが…【拡大】

 死者を出した「焼肉酒家 えびす」の集団食中毒事件を受けて、厚生労働省が生食肉衛生管理の実態調査をしたところ、国の基準を守っていなかった飲食店が100%になった県もあった。実は保健所がある全国の市でも同じような調査が実施されており、飲食店全店が違反した市は計9を数える。ただ、自治体によって検査基準があいまいな部分もあり、不名誉な結果になった市からは恨み節も漏れている。

 「飲食店への周知が不十分だったという反省すべき点はある。ただ今回の結果は、消費者保護の観点から適合性について厳しく調べたからだと思っている」(和歌山県食品生活衛生課)

 和歌山県は、都道府県レベルで唯一、100%の数字を出し、違反率ワースト1になってしまった。

 市レベルでは違反店100%の自治体は9市あり、北から北海道旭川市(違反店舗数22)▽群馬県前橋市(同16)▽同高崎市(同77)▽川崎市(同43)▽石川県金沢市(同16)▽兵庫県尼崎市(同97)▽和歌山県和歌山市(同43)▽岡山県岡山市(同92)▽山口県下関市(同38)▽となる。

 これらの市は、調査結果に納得のいかない様子もうかがわせる。尼崎市では「自治体によって検査の尺度がかなり違う」(生活衛生課)と憤り、こう続ける。

 「例えば国の基準では、包丁など器具の消毒は『83度以上の温湯により行うこと』とある。実際にはアルコール消毒している店が多い。しかし、温湯でなければ検査は『×』。厳密に照らし合わせれば、違反の店が増えるのは仕方がない」(同)

 旭川市では「ごく軽微な不適合を含めて、それをひとくくりに『100%(不適合)でした』といわれることには違和感を覚える」(衛生検査課)とコメント。前橋市は「立ち入り検査のとき、店側がやってもいない消毒法を『やっています』とウソをつく方がこわい」(衛生検査課)とも危ぶむ。

 ある自治体の担当者は、こんな懸念材料を挙げた。

 「保健所は生肉提供そのものを自粛するよう促しているため、今後はメニューから外す店がほとんどになるだろう。しかし、客の求めに応じてのみ提供する裏メニュー化すると、実態はつかめなくなり、適切な指導もできない。“闇ユッケ”の横行が心配だ」

 一方、都道府県レベルで熊本の違反率が極めて低かった。今回の調査は牛肉と馬肉に関して実施されており、熊本市は「馬刺しは熊本名物で、販売している店が多い。生食を前提に生産された馬肉は衛生基準が守られており、違反の店は牛肉の提供店だけだった」(食品保健課)と説明した。結局、馬肉専門店が違反率を下げているわけで、同県内にも違反した飲食店は85店もある。

 「牛生肉衛生管理」の徹底度に限れば、実のところ、全国的に大きな差はないのかもしれない。

 

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