汚染水処理 見通しは不透明
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汚染水処理 見通しは不透明

6月30日 5時39分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所で、汚染水を浄化して原子炉の冷却に使う「循環注水冷却」が始まったことを受けて、東京電力は、3か月後には3万4000トン余りの汚染水を減らせるという見通しを明らかにしました。しかし、これまでの設備の稼働率はトラブルが相次いでいることから想定を大きく下回り、順調に進むかどうかは不透明な情勢です。

福島第一原発では今月27日から増え続ける汚染水を浄化して原子炉の冷却に使う「循環注水冷却」が始まりました。しかし、これまでに配管の水漏れが3件見つかり、注水を2度停止したほか、汚染水の浄化設備でも、処理後の水をためておくタンクで水が漏れ出して処理を停止するなどトラブルが相次いでいます。東京電力は、「循環注水冷却」が始まったことを受けて、29日、原発の施設にたまっている12万トン余りの高濃度の汚染水を、3か月後には3万4000トン余り減らし、汚染水の水位を1メートルほど下げることができるという見通しを明らかにしました。ただ、この見通しは、汚染水の処理設備の稼働率を90%と想定したもので、相次ぐトラブルで、これまでの稼働率は55%にとどまっていて、順調に進むかどうかは不透明な情勢です。「循環注水冷却」は、汚染水を減らすとともに原子炉の安定した冷却に向けた重要なステップと位置づけられていますが、水漏れが相次いでいる配管や浄化設備の健全性を確保し、安定した稼働率を維持していくかが大きな課題になります。