県は28日、那智勝浦町口色川で採取した特産の茶から、微量の放射性セシウムが検出されたと発表した。福島第1原発事故の影響も一因とみられるが、検査した県環境衛生研究センターは「厚生労働省が示した暫定規制値に比べ100分の1程度であり、飲用しても安全です」としている。
同センターなどによると、毎年実施している検査の一環で、5月12日に購入した一番茶(製茶)を6月24日に検査した。
その結果、過去10年検出されなかった放射性セシウム134が1キロ当たり2・2ベクレル検出された。また、放射性セシウム137が同2・5ベクレル検出された。01~10年の検査では同0・2~0・56ベクレル検出され、昨年の同0・2ベクレルに比べると、12・5倍高い値となった。
しかし、今回検出されたセシウムは合わせて同4・7ベクレルしかなく、流通の規制値となる同500ベクレルに比べ100分の1程度であることから、県は「健康に影響はない」としている。ヨウ素131は検出されなかった。【山下貴史】
毎日新聞 2011年6月29日 地方版