東京電力が福島第一原子力発電所周辺で行っている海水の調査結果です。1号機から4号機の取水口付近で28日に採取した海水の放射性物質の濃度は、大きな変動はありませんが、3号機では前の日の6倍に当たる国の基準の70倍余りの放射性物質が検出されました。
福島第一原発周辺では、東京電力が、原発の取水口付近のほか沿岸や沖合で海水を採取し、含まれる放射性物質の濃度を調べています。28日に採取した海水で高い値を示したのは、3号機の取水口付近で、放射性のセシウム134が1cc当たり4.5ベクレル検出されました。これは国の基準の75倍に当たる濃度で、前の日に比べておよそ6倍上昇しています。この場所は、先月、高濃度の汚染水が流れ込み直後には国の基準の2万倍に当たる放射性物質が検出されましたが、その後、値は減少傾向が続いています。また、このほか2号機と4号機でも取水口付近の放射性物質の濃度が前の日に比べてやや高くなっています。一方、福島第一原発の沿岸と沖合合わせて13か所で行った海水の調査では、沿岸の4か所で放射性セシウムが検出されましたが、いずれも国の基準を下回りました。東京電力は「放射性物質の濃度は横ばい傾向にあるが分析を続けていく」としています。