脳腫瘍摘出手術の権威として知られる脳神経外科医、福島孝徳氏(68)=米国在住=が東京国税局の税務調査で申告漏れがあると報じた毎日新聞記事で名誉を傷つけられたとして、毎日新聞社や執筆した記者、社長に計2000万円の賠償と謝罪広告を求めた訴訟の判決で、東京地裁(松並重雄裁判長)は29日、日米両国で税務申告していなかったことなど「記事の主要な事実関係は真実」と認めながらも、一部を誤りとして、同社と記者に連帯して計60万円を支払うよう命じた。
毎日新聞は09年9月8日付夕刊で、福島氏が日本で06~08年に得た5億数千万円について、所得税と消費税の納付を求められているなどと報じた。毎日新聞は記事の一部について誤りを認め、おわび記事を掲載した。
松並裁判長は「所得税を求められたとの(記載)事実が真実と信じる相当の理由はなかった」と一部の誤りを認めた。社長の責任や謝罪広告の請求は否定した。【和田武士】
毎日新聞社社長室広報担当の話 判決文をよく読んで今後の対応を検討します。
毎日新聞 2011年6月29日 22時21分