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大事なことは良心に従う  藤田士朗助教授

2007/11/30 22:45

 




ドイツ・エッセンでの国際シンポで病腎移植の有効性を論文発表をする藤田助教授
http://hiro110732.iza.ne.jp/blog/folder/24347/


-「どうでもいいことは他人に従う。大事なことは良心に従う。芸術は自分に従う。」-



フロリダ大学藤田士朗助教授から、万波誠、廉介医師、光畑医師や西先生、そして移植への理解を求める会、支援をいただいている多くの皆さまに対し、力強いメッセージをいただきました。このメッセージは、今回の講演会の冒頭に野村幹事から紹介されました。

藤田先生、心から厚くお礼申し上げます。

藤田先生のメッセージを紹介させていただきます。



移植への理解を求める会の皆様へ


藤田士朗

フロリダ大学シャンズ病院移植外科藤田士朗助教授




臓器売買、それに続く病腎移植の衝撃の報道が日本列島に走ってから、1年がたちました。病腎移植の問題にかかわるようなり、この1年の間に、患者さん、報道関係者、学会、一般医師、海外の医師、政治家、などとさまざまな接点を持ち、意見を交換することができました。このことは、個人的にも、自分の医者としての原点をもう一度確かめることにつながり、非常に有意義であったと思っています。


実は、病腎移植の問題が持ち上がった時、万波先生達にも、足元をすくわれかねないところがあるものの、検討してみると、将来性のある手技だと感じました。筋を通していけば、日本に定着するすばらしい方法だろうと むしろ簡単に考えていました。


ところが どう間違ったのか、学会、報道関係者、厚生労働省によるバッシングが始まりました。傍からみていると、学会にも属していない「田舎者の医者」に先をこされ、意地になってこれをつぶしてしまおうという「学会幹部」と、その学会幹部の言うことこそが医学会のまともな意見なんだと信じて疑わない、「報道関係者」と「厚生労働省」による単なるいじめの構図です。今でもこの考え方は間違っていないと思っています。


病腎移植を是非を検討するために、病腎移植に関係した各病院で専門員会、調査委員会が設立されましたが、その、検討内容たるや、医学的、科学的検討からは程遠く、万波氏やドナー、レシピエントの詳細な聞き取り調査をやるわけでもなく カルテのみを見て、「あらかじめ決められていた否定的結論」をだすのみでした。


呉共済病院や高松労災病院は(本来的に厚生労働省管轄なので、自分たちの非を認めたくないために)お咎めなし、市立宇和島病院と宇和島徳洲会病院には、何らかの行政処置を行うということがはじめから決まっていたものと思われます。


そのうち明らかになるでしょうが、学会幹部の中には、明らかに犯罪とも言える、倫理を逸した医療をしてきた人物も存在しており、かれらに比べれば、あまりにも無防備といえるほどの万波氏の純粋な人柄に私は大いに惹かれました。


報道関係者に関して言えば、テレビ愛媛、産経新聞、東京新聞などの一部の目覚めた人々を除けば、自分自身で調べることをしない、医学論文を自ら読もうとしない、ただ、「その道の権威とみなされている」人物のところにいって話を聞くだけですべてがわかったたと思い込む、物事にはまったく違った見方があることがわかっていないという、まるで幼稚園児のお使いのような者しかいないようです。


日本はまだまだ、村社会の域から出ていないようです。特に医学界は、古い医学知識にこだわり、現代の医療の現実や生の患者から遊離した学会幹部が牛耳っていて、それに対して楯突くことが許されない社会です。かれらの横暴に対して、心情的に反発している移植外科、泌尿器科の先生方も居られるのですが、白い巨塔にみられる、上のものには逆らわない歴史的風潮のため、日の目を見ることはありません。また、昨今、脳死移植の法案の改定が国会で議論されているため、下手に身内のスキャンダルを暴いて、脳死法案の審議に影響が出ることを懸念する気持ちが働いています。


学会という権威を隠れ蓑にして、患者を救済するという本来の目的をまったく考えていない厚生労働省は、国民の健康、福利厚生を増進するための組織ではなかったのでしょうか。


最近の私のフロリダ大学での腎臓移植を見てみますと、特に疾患をもたない若者が、交通事故などで脳死となり提供される、いわゆる理想的な腎臓はほとんどありません。生検をすると、糸球体硬化が10-20%、BUN, クレアチンも正常上限を超え、心停止時間が数十分以上、尿に白血球、淡白、糖も出ていて、抗生物質の治療はうけているが全身の感染症もあり、過去には癌の治療も行ったころがある、高齢者などといった症例ばかりです。それでも、最近では、還流装置に乗せてみて、そのパラメーターが容認できる範囲であれば移植に使用しているのが現状です。いわば、程度の差こそあれ、ほとんどすべての腎臓は病気腎臓といえます。日本の厚生労働省のいうところの健康な腎臓のみを移植すべきであるとすれば、今の状態では、1割にも満たないことになるでしょう。卑近なたとえですが、われわれは新車を取り扱っているわけではないのです。すべてが、いわば中古車なわけで、程度の差こそあれ、何らかの不具合があるのが当たり前でしょう。


すばらしいことに、来年1月にフロリダのマルタ島でおこなわれる 全米移植外科学会の冬季シンポジウムで万波先生らの病腎移植の演題が採択されました。しかも、トップ10の演題に選ばれ、3日間のホテル料金と1000ドルの賞金までいただけることが決まりました。本当に喜ばしいことだと思います。この学会には ぜひとも万波誠、廉介先生はじめ、光畑先生や西先生にも来ていただきたいものです。また、この学会に合わせて、オーストラリアで同じような病腎移植を行っている、二コール先生にアメリカまで来ていただき、私の属するフロリダ大学でも講演していただくことになりました。二コール先生は、最近有名な医学ジャーナルに、これまでの結果を投稿され、採択されたとのことです。現在、日本の万波先生らとの共同研究で、この病腎移植の症例を合同で執筆し、欧米の移植学会や医学ジャーナルへの投稿を行うことになったことも、移植への理解を求める会の皆さんにご報告したいと思います。


「病腎移植」という言葉は、否定的なニュアンスがあり、欠陥のある腎臓のように感じられます。そこで、全米移植学会の元会長であるハワード先生と一緒に考えて、「治療を行って修復した」という意味でのRestored Kidney という名称を提案しました。来年1月フロリダの学会での発表演題にもこの言葉を用いています。日本語でも、難波先生の提唱でリストア腎として定着を目指したいと思います。


「どうでもいいことは他人に従う。大事なことは良心に従う。芸術は自分に従う。」これが、音楽をたしなむ私と妻の家訓です。こと、病腎移植に関しては、「大事なことは良心に従う」の心情で、誰からも後ろ指を刺されないように、正々堂々とやってきたつもりですし、これからもそうしたいと思っています。


これまでの、「移植への理解を求める会」皆様のご支援は、本当にすばらしいものだったと思います。医師が関係した事件で、患者団体が、その医師を擁護するために立ち上がり、6万人以上もの署名を集めて嘆願するといったことが、これまでの日本の医療の歴史の中で一度でもあったでしょうか。


将来、この事件に関与した、多くの「学会幹部達」は「これまでの功績」により、日本政府から何らかの勲章を得るようなことになるでしょうが、私は、万波先生らが得た、6万人を超える支援の署名に勝る、真の勲章はないと思っています。将来の歴史家が顧みて、万波先生らに真実の価値を与えてくれることを信じて疑いません。


まだまだ、これからもいろいろなことがあるでしょうが、それぞれが自分でできる範囲のことを、やっていくことにより、明るい日本の将来につながることを期待します。


以上です。




>患者団体が、その医師を擁護するために立ち上がり、6万人以上もの署名を集めて嘆願するといったことが、これまでの日本の医療の歴史の中で一度でもあったでしょうか。

誠にそう思います。
医師を訴えるニュースは多いですが、現在7万3千名余りの支援する署名を集めた事案は聞いたことがありません。
万波医師等の医療技術の高さと人柄に裏付けされた信頼があるからこそです。

>私は、万波先生らが得た、6万人を超える支援の署名に勝る、真の勲章はないと思っています。

万波先生らにこそ真の勲章を・・・・

藤田先生、暖かいメッセージほんとうにありがとうございました。






(続きます。次は林秀信弁護士です)



カテゴリ: リビング  > 健康    フォルダ: 19.11.25 第2回総会記念講演会

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