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口蹄疫:前農相が小説

 宮崎県で昨年猛威を振るった家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)を描いた小説を山田正彦前農相(69)が書き上げた。タイトルは「口蹄疫レクイエム 遠い夜明け」(KKロングセラーズ刊)。副農相、農相として陣頭指揮を執った山田前農相は「できるだけ事実に沿って書いた」といい、関係者が実名で登場する「ノンフィクション・ノベル」となった。

 農相を昨年9月に退任後、「29万頭もの家畜を犠牲にした口蹄疫について、鎮魂の思いを込めて記録したい」との思いを募らせた。宮崎へ足を運び、発生した農家や殺処分に当たった獣医師らから取材。いとおしい家畜を殺処分した苦しみや悲しみ、憤りの声に耳を傾けた。

 ワクチン接種の経緯が詳しく、宮崎県や東国原英夫前知事の対応を批判的に描く場面も多い。初発とされる農家が初発かどうか疑問も投げかけている。「何度も書き直しただけに、執念の一冊になった」と振り返る。四六判で約300ページ、定価1890円。【佐藤浩】

毎日新聞 2011年6月29日 東京夕刊

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