経済協力開発機構(OECD)は28日、09年に世界の15歳の生徒を対象に実施した学習到達度調査(PISA)のうち、インターネットを使ってブログ(日記)を読み解いたり、ウェブページを検索するなどの「デジタル読解力」の結果を発表した。希望して参加した19カ国・地域中、日本は4位、トップは韓国だった。文部科学省は「日本は国際的に高い水準にある」と分析しているが、コンピューターを使った授業などはほとんど実施されておらず、今後の課題も浮き彫りになった。
調査は約3万7000人を対象に実施し、日本は109校約3400人が参加した。米国や英国などは不参加だった。
PISAは00年から3年ごとに読解力、数学的活用力、科学的活用力を調査しており、「デジタル読解力」は昨年12月に公表された読解力調査(65カ国・地域の約47万人が参加、日本は8位)と同時に初めて実施された。
平均得点は韓国の568点がトップで、ともに537点(小数点以下で順位決定)だった2位のニュージーランド、3位のオーストラリアに大差をつけた。4位の日本は519点で、OECD平均を約20点上回った。日本は得点の上位層と下位層が少なく中位層に固まる特徴があった。
同時に実施したアンケートでは、国語、数学、理科の授業でコンピューターを使っている生徒の割合は、日本が1~2%。全科目でOECD平均の16~26%を大きく下回り、調査とアンケート両方に参加した17カ国・地域で最低だった。【木村健二】
毎日新聞 2011年6月28日 19時54分(最終更新 6月28日 22時36分)