県立東金病院が7月から、外科の外来診療を休止することが、同病院への取材で明らかになった。現在1人の外科医が今月末で退職し、後任の医師が確保できないため、やむを得ず休診するというが、地元の住民からは、地域医療の要である県立病院の外科休診に不安と戸惑いの声も聞こえている。
同病院は内科、小児科、外科、整形外科など複数の診療科目がある地域の基幹病院。同病院によると、2人いた外科医のうち1人が3月末で退職。1人では入院の体制が整えられないため、4月以降は外科手術と入院を見あわせ、外来診療だけを行っていた。
対応できない患者には、症状などに応じ、さんむ医療センターなど近隣の病院や千葉市内の病院を紹介。これまでのところ大きな混乱はないという。
県は「なるべく早く後任の医師を確保し、再開したい」としているが、東金地域では14年4月、東金市丘山台に、独立行政法人の東金九十九里地域医療センターが開院予定で、県はその後、県立病院閉院の方針を示している。【森有正】
毎日新聞 2011年6月29日 地方版