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'11/6/29

自民ジレンマ 抵抗すれば首相延命

 自民党が延長国会の対応に苦慮している。菅直人首相による政務官人事で党所属議員を“一本釣り”されたことに反発。当面は重要法案の審議や政策協議に応じない構えを見せているものの、首相が退陣条件に掲げる公債発行特例法案などに抵抗を続ければかえって政権延命に手を貸すジレンマを抱えているためだ。

 「信頼関係はズタズタにされた。法案を通らないようにしているのは菅首相だ」。石原伸晃幹事長は28日の記者会見で、浜田和幸総務政務官の引き抜き人事を批判した。

 谷垣禎一総裁は「売られたけんかは買う」とこぶしを振り上げ、28日の役員会は菅政権と徹底対決することを確認。石原氏は民主党の岡田克也幹事長から電話がかかってきても「出ないようにしている」と不快感を強める。

 しかし、実情は対決一辺倒とはいかない。先に否決された内閣不信任決議案に関し、東日本大震災被災地の支持者から不満を招き、会期延長をめぐる採決では党方針に10議員が造反した。いずれも「被災者置き去りで政局優先だ」との反発からだ。

 党内には対決姿勢よりも菅首相が示す3条件の法案処理に積極的に応じ、退陣に道筋を付けるべきだとの声も公然と聞こえ始めた。小坂憲次参院幹事長は会見で「被災者の心に寄り添って協力できることは協力する」と震災に限った審議を急ぎたい考えを示した。




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