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【プロ野球】

七条 初登板初先発初勝利だっぺ

2011年6月29日 紙面から

巨人−ヤクルト プロ初先発で初勝利をあげ、ウイニングボールをかじるポーズで喜びをかみしめる七条=福島・開成山野球場で(由木直子撮影)

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◆ヤクルト4−1巨人

 “チリ紙王子”が最高の輝きをみせた。ヤクルトの先発・七条がプロ初登板初先発初勝利。巨人打線を手玉に取り、7イニングを3安打1失点。ヤクルトの新人では球団史上初となる快挙を見事に成し遂げた。

 「いろいろな人に支えられてここまで来られました。ホッとしたのが一番」。漫画「天才バカボン」の主人公・バカボンそっくりの顔に笑みが浮かぶ。「巨人は怖かったけど、相川さんのミットだけを見て投げようと思いました」と初々しいコメントの右腕に「よかったなぁ〜」と祝福の声が次々とかけられた。

 ここまでの人生は苦労の連続だった。延岡工高から進んだ日産自動車九州が休部。伯和ビクトリーズに移籍した後はチームの親会社が経営するパチンコ店で働きながら、野球の腕を磨いた。ヤクルトに入団した後も開幕前に右肩を故障。6月にようやく、先発の機会が巡ってきた。

 「朝起きてから緊張がピークになった」と明かすが、チャンスを生かさないわけにはいかない。1回からスライダー、チェンジアップ、カーブを駆使してスキを与えない。1点を返された直後の3回2死一、三塁で長野を迎えた時は「ここだ」とひらめき、勝負球を一変。5球すべてが直球という強気に攻めて、ピンチを切り抜けた。

 この日は1万3945人の観客が自分に注目してくれることを「幸せ」と思い、マウンドで涙が出てきたという。苦労は快投で報われた。ウイニングボールを受け取った七条は「支えてくれた嫁、家族、チームメート、みんなに感謝です」。感無量の表情だった。 (川越亮太)

 

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