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【経済】

原発撤退の提案否決 東電株主総会、過去最長6時間

2011年6月29日 02時04分

 東京電力の株主総会は28日午後、原発事業からの撤退を定款に盛り込むよう株主402人が提案した議案を反対多数で否決した一方、会社側が提案した取締役17人と監査役2人の選任議案は可決した。過去最多だった昨年の3倍近い9309人が参加し、原発事故への株主の関心の高さを裏付けた。所要時間は6時間9分で、1999年の3時間42分を上回り過去最長だった。

 株主提案は、定款を変更して古い原発から停止・廃炉とし、新増設をしないよう求めていた。賛成比率は全体の約8%で、昨年の総会で出された脱原発の株主提案への賛成(約5%)を上回り、個人株主を中心に脱原発に理解を示す動きが広がっていることをうかがわせた。株主提案への反対は約89%、棄権や無効が約3%で、企業などの大株主の大半は反対に回ったとみられる。

 経営責任をめぐっては、清水正孝社長と原発担当の武藤栄副社長が引責辞任。総会後の取締役会で、西沢俊夫常務の社長昇格を正式決定した。

 大半の取締役が留任したことについて、株主から「今の役員には経営を任せられない」と批判が出たのに対し、勝俣恒久会長は「しっかり(会社を)更生することで責任を取る」と強調。損害賠償に絡み「役員の報酬を全額返還すべきだ」との声も上がったが、勝俣会長は「返還はプライベートな話で審議事項ではない」と却下した。

 株主からは、今回の震災が原子力損害賠償法の定める「異常に巨大な天災」に当たり、東電は賠償を免責されるという指摘も出た。

 勝俣会長は免責の可能性があることに言及する一方、長期化する裁判を避け、被害者救済と事業継続を優先して国に支援を要請したことを説明。政府の「原子力損害賠償支援機構法案」の早期成立に期待を込めた。

(中日新聞)

 

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