2011年5月4日 21時8分 更新:5月4日 23時2分
日本相撲協会は4日、名古屋場所で幕内、十両の定員を各2人減らし、関取の枠を計4人削減することを決めた。八百長問題で引退・解雇された十両以上の力士は17人。関取の枠が4人削減されても、少なくとも13人の幕下力士が名古屋場所で十両に昇進する。名古屋場所の番付編成の基になる技量審査場所で、幕下上位なら負け越しても十両に上がる可能性が出てきた。
関取の定員は現行の70人(幕内42、十両28)から名古屋場所では66人(幕内40、十両26)となる。定員削減で空席は13人分に減ったものの、関取の枚数が6枚半増える計算。こうなると現行最下位の西十両14枚目でも、下にまだ6枚あり5勝10敗でも落ちない。幕下筆頭で3勝4敗なら関取の枠内に入り、十両昇進の権利を得られる。貴乃花審判部長は名古屋場所での十両昇進について「普段の昇進対象は幕下5枚目以内の勝ち越し力士だが、今回は10枚目までは考える」と語った。
戦後最多の十両昇進は1947年夏場所(6月)の12人。公傷制度廃止に伴い、関取の定員を増やした04年初場所は、前場所十両12枚目で7勝8敗だった武州山が1枚上がった。
協会広報部によると、負け越しの十両昇進は戦後、例がない。【上鵜瀬浄】