東京電力は28日、本格稼働直後に水漏れで停止した福島第1原発の「循環注水冷却」の運転を同日午後3時55分、再開したと発表した。水が漏れたホースの継ぎ目を修理し、同様の約100カ所を点検、異常がないことを確認し再開した。
東電によると、漏れが見つかったのは、原子炉に注入される処理水を運ぶホース(塩化ビニル製、直径約10センチ)。処理水タンクから原子炉までは約1.5キロあり、ホース約50本をつないでいる。東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「継ぎ目の締め付けが弱かったか、継ぎ目の耐圧を超える水が流れたかもしれない」と説明した。
また東電は同日、6号機の低濃度汚染水を保管している仮設貯蔵タンクで、水位計代わりのホースが倒れ、汚染水約15立方メートルが土中に漏れ出たことを明らかにした。ホース内の水位でタンク内の水位を測るため、ホースはタンクとつながっている。タンク側面にホースを固定していたガムテープの粘着力が風雨で低下したとみられる。流出後の土の表面線量は毎時7マイクロシーベルトで漏水前の環境と変わらない値だった。【徳野仁子、関東晋慈】
毎日新聞 2011年6月28日 21時48分(最終更新 6月29日 0時37分)