2011年5月2日 15時51分 更新:5月2日 22時51分
東日本大震災の被災地復旧に向け、緊急対策を盛り込んだ11年度第1次補正予算と執行を裏付ける財源確保法などの関連法は2日の参院本会議で全会一致で可決、成立した。政府は6月末にまとめる復興構想会議の第1次提言や税と社会保障の一体改革案などを踏まえ、11年度第2次補正予算案の編成作業に着手する。
菅直人首相は2日の参院予算委員会で「私は首相の立場で、内閣全体としてしっかり大震災という国難に対応したい」と述べ、政権運営に改めて意欲を示した。一方、野党は1次補正成立を機に首相退陣を求め、対決色を強める方針。民主党内にも小沢一郎元代表に近い議員を中心に「菅降ろし」の動きがあり、首相の政権運営は厳しさを増している。
1次補正の総額は4兆153億円で、規模は阪神大震災後の最初の補正予算(1兆223億円)の4倍。災害関連公共事業に1兆2019億円を計上したほか、仮設住宅建設3626億円、がれき処理3519億円などを投じた。財源には基礎年金の国庫負担分の転用(2兆4897億円)や子ども手当の上積み見送り(2083億円)などをあて、新規の国債発行は見送った。
成立した震災関連法は財源確保法のほか、津波で被害を受けた農地の復旧を支援する土地改良法の特例法や、被災自治体などに配分する交付税を増額する特例法など4本。【中山裕司】