長崎原爆 被爆者の訴え
長崎原爆 被爆者の訴え 06/28 19:53

九州電力は、きょう、株主総会を開きました。

会場周辺では、市民団体のメンバーらが原発の廃止などを訴えていましたが、この中に長崎原爆で被爆した83歳の男性の姿がありました。

●演説する西山進さん
「私は、長崎の被爆者です」

午前8時すぎ、九州電力の株主総会の会場前に姿を見せたのは西山進さんです。

西山さんは、66年前の8月9日に長崎市で被爆し、今も後遺症とみられるリンパ系の症状に悩まされています。

福島第一原発の事故を受けて、放射線が人体に及ぼす恐ろしさを改めて訴えるようになったといいます。

●被爆者の西山進さん
「もーほんと、被爆者として黙っておれないというのが、一番大きな気持ちですね」

西山さんたちは、原子力発電所の廃止などを訴えるチラシを配りましたが、このチラシは西山さんが作ったものです。

●西山進さん
「けさもバスの中で隣の席に女の子がいたんですよ。20歳近い。これ(チラシ)あげようとしたら、手を振っていらないって言うんですね。それで、静かに、原発に関心ありますかって言ったら、関心ありませんって。やっぱり、そういう人が多いんですよ、いっぱいね」

西山さんは漫画家です。

これまでも得意の絵をいかして、核兵器廃絶を訴える平和授業などを続けてきました。

原子爆弾と原発は全く違うものです。

そのことは十分に理解しているものの、福島で放射性物質が漏れ出し多くの住民が避難を強いられているという現実を前に、現在の原発行政に強い憤りを感じています。

●西山進さん
「三たび、被爆者を今、作ろうとしているわけです。だから被爆者の人たちはもう一回、自分たちの広島・長崎の体験を思い起こして、やっぱり多くの人に放射能・原爆の被害(の恐ろしさ)っていうものを広げてもらいたい」

西山さんは長い距離を歩くことができないため街頭デモには参加しませんでした。

ただ、放射性物質の怖さを知っている原爆の被爆者として、国や東京電力のこれまでの対応は許せないと言います。

●西山進さん
「一番いけないのは事故を隠してたっていうこと。それはやっぱりけしからんよね。メルトダウンをすでに翌日、地震の翌日に起してるのを1か月後に発表する、これは一番の犯罪行為だね。僕は、やっぱり許せないと思う」