2011年6月29日1時0分
蒸し暑さを感じるのは牛も同じ。宮崎県畜産試験場は、牛が感じる「不快指数」を計測する指標計「ヒートストレスメーター」を、東京の「エンペックス気象計」と共同開発した。夏場に乳量や受胎率が落ちがちな乳牛の飼育に使うことで、効果的な暑さ対策ができ、乳価の高い夏に乳量を増やすことができると期待する。
同試験場によると、牛の不快指数「温湿度指数」(THI)は、温度と湿度を一定の計算式に当てはめて算出する。2006〜08年に、県内の乳牛延べ1万1千頭を対象に実施した調査で、人工授精による受胎率がTHIの上昇とともに悪化することが分かった。別の調査では、THIが67を超すと牛の体温調整機能が低下し、体温が上昇することも判明。体温上昇が受胎率にも影響していると推測されている。
指標計は、THI67を分岐点として危険度を4段階で表示する。指標計を参考にすれば、酪農家が散水や送風などの暑さ対策に効果的に取り組めるため、夏場の繁殖性向上や乳量の増加につながるとみられている。
県は今月、意匠登録を出願し、同社は7月中旬に8千円(税抜き)で発売を予定している。(中島健)