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「臓器提供、金銭授受ない」弁護士の報告書 病院へ提出

2011年6月28日22時40分

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 生体腎移植をめぐる臓器移植法違反事件で、東京都江戸川区の医師堀内利信容疑者(55)が、昨年7月に愛媛県の宇和島徳洲会病院で移植手術を受ける際、「(臓器提供で)金銭の授受はない」とする弁護士作成の報告書を病院側に提出していたことが関係者への取材でわかった。警視庁は、堀内容疑者が臓器売買を隠すため弁護士の信用性を利用したとみている。

 捜査関係者らによると、堀内容疑者は一昨年秋ごろ、住吉会系暴力団員滝野和久容疑者(50)に腎臓の提供者(ドナー)を紹介されたが、金銭トラブルで頓挫。仲裁を求めた別の住吉会系組幹部から埼玉県越谷市の男性(21)を薦められて養子縁組し、この男性をドナーに昨年7月29日、同病院で腎移植手術を受けていた。

 関係者によると、堀内容疑者は手術前、弁護士に頼んで男性との関係についての報告書を作成。病院の倫理委員会に提出した。その中に「ドナー側には腎臓を提供する意思がある」「金銭の授受はなく、売買目的の移植ではない」といった記載があったという。

 病院側は、この報告書や堀内容疑者と男性への聞き取りをもとに「男性は(15歳だった)5年前に堀内容疑者と知り合い、3年前から親子関係の実体がある」と判断し、手術を容認していた。

 ところが男性の親族によると、男性は18歳まで越谷市の実家で暮らしており、堀内容疑者と知り合うはずはないと話している。

 報告書を作成した弁護士は朝日新聞の取材に、養子縁組が虚偽だとは知らなかったことを明かし、「(堀内容疑者は)それなりに立場のある人だし、弁護士は依頼者を信用するのが仕事。確認するすべもなかった」と話した。

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