松山市発注工事「裏金」捻出疑惑に絡み、関与が指摘される元職員が元請け業者と会食し、特定業者の下請け選定を要望した疑いが浮上した問題で、市は28日、職員倫理規定に抵触する可能性があるとしてこの元職員に求めていた面会要請が、体調不良などを理由に断られたことを明らかにした。
同日の市議会都市企業委員会で理事者が報告。「事実確認に向け全力を傾けたい」と述べ、24日に面会依頼の文書を再度送付したと説明した。元職員は1998年に公営企業局を定年退職。裏金疑惑の調査の過程で、同局の非常勤嘱託職員だった2001年当時、局幹部(故人)とともに元請けの営業担当者と会食し、特定業者を下請けに使うよう働き掛けた疑いが発覚していた。
公営企業局は今月9日、会食の事実を確認するため、聞き取り調査の協力を求める文書を元職員に郵送。16日に面会できない旨の返信があり、体調不良に加え、「10年以上も前のことで記憶にない」「当時は会食できる健康状態になかった」との理由が記載されていたという。