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閣僚人事:引き抜きに財務相苦言 谷垣氏「暴走」批判

首相官邸に入る野田佳彦財務相=2011年6月27日午後1時52分、木葉健二撮影
首相官邸に入る野田佳彦財務相=2011年6月27日午後1時52分、木葉健二撮影

 菅直人首相が東日本大震災復興対策本部の設置に伴う閣僚人事で自民党から浜田和幸参院議員(離党届を提出)を総務政務官に引き抜いたことについて、玄葉光一郎国家戦略担当相は28日の閣議後会見で「与野党交渉のハードルを高くしたのは間違いない」と述べ、菅首相の対応を批判した。野田佳彦財務相も「野党の態度硬化は非常に厳しい。正面玄関に立って頭を下げ、協力をお願いするのが筋だ」と述べるなど、閣僚から批判の声が相次いだ。

 首相に近い北沢俊美防衛相は「深いところはよく分からない」と述べるにとどめた。枝野幸男官房長官も「厳しい指摘も少なからずあると承知しており、謙虚に受け止める必要があろうと思う」と述べざるを得なかった。

 自民党は28日午前の党役員会で、11年度の赤字国債発行を認める特例公債法案の成立に向けた民主、自民、公明の3党合意について「協議できる状況ではない」との認識で一致した。谷垣禎一総裁は「菅政権は暴走を始めた。自民党の協力はいらないというメッセージだ」と、首相の対応を厳しく批判した。

 逢沢一郎国対委員長は党会合で「岡田(克也)幹事長は何をしていたのか。安住(淳)国対委員長は体を張って(引き抜きを)やめさせればよかった」と述べ、民主党執行部にも批判の矛先を向けた。

辞令交付後、記者に囲まれる松本龍復興担当相=首相官邸で2011年6月27日午後9時44分、石井諭撮影
辞令交付後、記者に囲まれる松本龍復興担当相=首相官邸で2011年6月27日午後9時44分、石井諭撮影

 こうした反応に、復興担当相に就任した松本龍氏は会見で「復興基本法に魂を入れる」と述べ、7月中をめどに復興の基本指針を策定する考えを示す一方「3月11日以来、民主党も自民党も公明党も嫌いだ。被災者のためにひたすら前を向いて歩いていく」と語った。【影山哲也、吉永康朗】

毎日新聞 2011年6月28日 11時43分(最終更新 6月28日 15時57分)

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