ファイナルライブツアーの開催までの流れを教えてくださいな。まずどこからはじまるのですか?
「時間的には1年前。1年前に全国の会場をロックします。」
ロック。会場ロック。予約っつーことですな。
「で、4・5月にプロデューサーとともに出演の依頼を各事務所にします。いわゆる公演での出演の趣旨を説明し、依頼をする。スカイシアターもタイミング的には一緒」
それからそれから?
「で、時は流れ、秋くらいに今度は宣伝とチケッティングの準備を開始。12月の下旬から各地で宣伝……テレビスポットなどが始まります。年が明けてから、全国一斉発売なので、該当の地区のテレビ朝日系列にロールテープが流れる。と、同時進行で1月下旬から、今度はショーの内容を決めていくので、台本作成に入ります。2月の下旬に台本完成。3月のド頭に今回はアフレコをして、テイクの編集をする。で、今日を迎える、と。だからまあ、丸々1年間だね。かかる時間としては」
じゃあもうすぐボウケンジャーの会場ロックがはじまる?
「もうロックした」
はやー。今年と同じような感じになるんですか?
「えーとね、都市は一緒。若干順番が変わったり、会場・会館自体を変えたりはするんだけど。で、公演数なんかは後々決めていくのね」
これって地方ばっかり行くじゃないですか。やはり東京都心でやらないっていうのはスカイシアターがあるからですか?
「そうそう。東京は3月で(スカイシアターが)ファイナルなので、東京はそれで終わり。で、スカイシアターでずっとやってきた訳だけれど、地方の人がやはり見れない。他の地域の人もずっと1年間応援してくれたのに、という思いがあったんで、じゃあ主要都市しか行けないけれど、みんなで感謝のツアーを組むか、というのが(ファイナルライブツアーの)はじまり」
おっ、歴史が紐解かれてまいりました。それはいつからなのですか?
「ガオレンジャー(*4)。いまから5年前。2001年」
やっぱこのガオレンジャーのときの一発目ってかなり盛り上がりました?
「いや、ガオの場合、最初にやろうと思いついたのはがっつり1年前ではなかったので。半年前くらいかな。だからそんな大掛かりにはなりませんでした。例えばいまはある都市……例えば大阪はやらなかったし。5都市。」
ゴト師。
「うん、確か5都市だったな。5都市11公演しかやらなかった。そこから毎年増やしながら、いまは9都市25公演まで増えてきた。この5年でね。そういうツアーに育ててきたということかな。」
なるほど。このガオの半年前に思いついたというのはスカイシアターでやっていることを地方でできないか、ということ?
「えーとね、ガオの前のタイムレンジャー(*5)のときは、名古屋とか沖縄とか、バラバラやってたのよ」
へー、あることはあったんですか?
「うん。ツアーではないんだけどね。だから、やりたいというのがあって、たまたま日程が揃ったときにやっていた、という感じ。まあそれが年間2・3回。しかも時期はバラバラだし。ショーの内容もバラバラだし。その都度組み立てていくわけだから。もちろん全員も揃っていないし」
あ、そうなんスか。
「そうそう、ゲスト的な扱い。ちょっと出てきて変身するくらいが関の山。で、まあこういうのを大きくできないかなあっていう思いと、ここんとこ俳優さんがスカイシアターに出ることが恒例になりつつあって、さっき言ったように東京以外の子どもたちとか応援してくれた人に対して全国の主要都市にお礼参りに……」
お礼参り…穏やかじゃないですなあ。
「まあお礼参りって言うとまあアレだけどさ(笑)。そういうツアーを組んで、まあ『ありがとう』を言おうと。そういうことでこのツアーを思いついたと」
*4
「百獣戦隊ガオレンジャー」。2001年放送。メリー・クルシメマスオルグ!
*5
「未来戦隊タイムレンジャー」。2000年放送。行ってみたいな30世紀。食べてみたいな30世紀梨。
「例えば、いろんな趣旨があるんだけど、メインはそういうこと。1年間応援しつづけてくれた人にお礼をしていくというツアー。で、同時にキャストに関して言えば卒業させるという趣旨もあるよね」
そうかー。キャストさんにとっても区切りになるんですね。
「まあその他にもいろいろな意味があって、東映サイドから言えばここに新しい戦隊が出るので、それへの引継ぎ、というかバトンタッチ・プロモーション的な意味合いがあります。で、続いて事業推進部的に言えば、我々は全国でキャラクターショーをやっているチームを抱えていて。そういう人たちが番組を支えていることはまぎれもない事実じゃないですか」
そうですねー。大きいですよねー。
「そういう人たちっていうのはやっぱりこういう舞台……本物の役者と絡んだりだとかいうことが基本的に皆無であったわけですね。そういう人たちに目標というか、励みというか、そうなるステージを作ってあげるのも僕らの使命だと思っている部分もあります。ファイナルのステージに立てるというのをひとつの目標にしてほしいというか。会場規模の面から言っても名古屋・大阪・福岡なんかはドームクラスでイベントをやっているし。東京は結構、新高輪があったりとか、いろいろな大きなイベントを組めているけど、地方ではなかなかなかったので。そういうものを作ってあげたかったというのも理由のひとつ。そうすることによって全国のショーのチームやアクターたちのレベルアップとか、モチベーションが上がってくれればとか、そういうことも狙っていますね。だからいろんな意味がファイナルにはこめられている、ということになるかな」
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