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第1話 殺人処方箋 PRESCRIPTION:MURDER
単発のテレビ用映画として制作された、『刑事コロンボ』の記念すべき第1作。
短編小説、テレビの生放送ドラマ、舞台劇と形を変えて練り上げられてきた作品であり、「倒叙ミステリー」としての完成度がすばらしい。ファン必見の"シリーズの原点"である。
名場面ファイル
若々しいコロンボ、デビュー
本作は、1968年2月20日、単発のテレビ用映画を放映する(日本での「2時間ドラマ」枠にあたる)米NBCの『ワールド・プレミア』という番組の1本として放映された。
ピーター・フォークは、このとき40歳。この後のシリーズ化までには約3年が経過しており、本作のコロンボが若く、髪型やコートもこざっぱりとしているのは、そのためである。
洒落たビジュアルのオープニング
本作のタイトルバックには、精神分析医が人間心理を巧みに操って完全犯罪をたくらむそのプロットに合わせ、ロールシャッハ(心理分析に用いられるテスト。インクを落とした紙を二つ折りにしてから開き、そこにできた左右対称の模様から、患者にさまざまな連想を行なわせるもの)風のグラフィックが用いられている。
また、原題の「PRESCRIPTION:MURDER」を直訳すれば、『処方:殺人』となり、これは、医師が治療方法や投与する薬を記す処方箋の書式にかけた、実に洒落たタイトルである。
名犯人=人間心理の専門家との知的バトル!
中盤、フレミングとコロンボが知的バトルをくり広げる診療室での"対決シーン"は、全69作中でも屈指の名場面となっている。そこでフレミングは、風采の上がらない外見と行動が、相手を油断させるためのコロンボのテクニックであることを看破し、コロンボ自身も、はっきりそれを認めるのである。
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