支援物資の提供のほか、現地でのボランティア活動も重要な被災地支援の一つです。
先週、宮城県で住宅の清掃などのボランティアを行なった福岡市の10代の学生に密着しました。
●福岡インターナショナルスクール・丸山マックスさん(17)
「向こうで何があるか分かんないんで、緊張感だけですね、今は」
福岡インターナショナルスクールに通う14歳から17歳までの男女の学生7人は今月19日、福岡県から宮城県に向けて出発しました。
学生たちが向かったのは宮城県東松島市。
震災から100日以上が経った今も、復興どころか壊れた住宅などが手付かずのままとなっているところもありました。
●学生に説明する安倍民夫さん
「柱とか、汚れている分を、今、私も行きますから…」
東松島市で農業を営む安倍民夫さんです。
安倍さんの自宅は津波にのみ込まれ、建物はすべて流されてしまいました。
●農業・安倍民夫さん
「この辺が玄関ですね。まあ、みんな流されて、どうしようもないですけど」
福岡から訪れた学生たち、今回、宮城県を訪れた目的はボランティア活動をするため早速、作業に取り掛かります。
●学生たちと安倍さんの会話
「安倍さん、今から何すればいいでしょうか?」
「あちら側の、あそこのうちの掃除と何人かに分かれていただいて、掃除をけがしないように…」
生徒たちは、二手に分かれ、一班は、安倍さんが農機具を入れていた倉庫の片付けを始めました。
●片付け作業のアドバイス
「これをここに敷いて、ここの上に置いていただければ、ありがたいです」
津波に流されなかった倉庫ですが、建物の中には木材やパイプなど津波で流されてきた様々なものが積み重なっていました。
●片付けにあたる学生
「板を何枚か下に置いてくれる?(英語)」
●安倍民夫さん
「もっとひどかったんですよ。倉庫は倉庫なんですけども。でも、だいぶ、外側のガラスとか、がれきとかを取り除いていただいて、大変、ありがたいなあというのが一番の感想です」
●早崎マックスさん(17)
「最初はもう、きつい作業ばっかりだと思って、少し不安だったんですけど、実際やると、人のためになってるんだと思って、やってるうちに、気持ちよく仕事ができて…」
もう一班は、安倍さんの友人の家の掃除を担当しました。
建物の中に残る泥をほうきで掃き出し、雑巾できれいに拭いていきます。
●掃除をする学生たち
「この辺をきれいにしよう」
「足跡をつけないようにね」
この日の作業はおよそ5時間、学生達は黙々と作業を続けていました。
この日、東北地方が梅雨入りしました。
被災地に追い討ちをかけるような激しい雨。
安倍さんは東松島市だけで1000人を超す人たちが亡くなった、あの日のことを話し始めました。
●安倍民夫さん
「ちょうどあの橋に、水はつっかえてました。みんな(津波が)来ると思ってないですよ。みんな安心していたのと、まあ大丈夫だろうということと、過信していたのと、たまたまそれが、逆になって出てきた」
学生たちのボランティアは同じ場所で3日間、続けられました。
●神田記者
「津波によって、倉庫には大量の土砂が流れこんでいましたが、3日間のボランティア作業で地面が見えるほど綺麗になりました」
今回、被災地を訪れた7人の中には、外国籍で日本語をほとんど話せない学生もいました。
大震災を受けて日本を離れて本国に帰るという外国人もいる中、今回のボランティアで多くのことを学んだようです。
●パク・スンベさん(17)
「僕ができる限りの力を使って、助けて、僕は自分ができることを頑張ってやりました」
●丸山マックスさん(17)
「1人でも手伝えば、何かが変わるってのがより伝わりますね」