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'11/6/28

宇和島徳洲会病院を捜索 警視庁、臓器売買事件で

 生体腎移植をめぐる臓器売買事件で、警視庁組織犯罪対策4課は28日、臓器移植法違反容疑で逮捕した医師堀内利信ほりうち・としのぶ容疑者(55)が1千万円の謝礼を暴力団組員滝野和久たきの・かずひさ容疑者(50)に支払って臓器提供者(ドナー)探しを依頼するなどした容疑を裏付けるため、宇和島徳洲会病院(愛媛県)を家宅捜索した。

 同病院は2006年にも生体腎移植をめぐる臓器売買事件で愛媛県警の家宅捜索を受けており、同法違反容疑では2度目。組対4課は診療記録などを押収し、昨年7月に堀内容疑者が受けた移植手術の経緯なども含め全容解明を進める。

 堀内容疑者らの逮捕容疑は、腎不全を患っていた堀内容疑者に移植手術を受けさせるために共謀。腎臓のドナーとして元組員坂上文彦さかがみ・ふみひこ容疑者(48)を紹介する見返りに堀内容疑者が1千万円を滝野容疑者に支払ったほか、堀内、坂上両容疑者の虚偽の養子縁組を東京都江戸川区に届けた疑い。

 謝礼の上積みをめぐるトラブルで、昨年6月に都内の病院で実施予定だった坂上容疑者の腎臓を堀内容疑者に移植する手術は頓挫。同年7月、堀内容疑者は別の暴力団幹部(70)に紹介されたドナーの男性(21)の腎臓を移植する手術を宇和島徳洲会病院で受けた。

 この移植手術をめぐっては、堀内容疑者の妻則子のりこ容疑者(48)が「謝礼を支払って臓器提供を受けたことなどを執刀医側に伝えた」という趣旨の供述をしたが、同病院の2人の執刀医は全面的に否定している。

 組対4課は今後、同病院での移植手術をめぐり、堀内容疑者が暴力団幹部に1千万円の謝礼を支払ってドナーの男性を紹介されたもう一つの臓器売買の疑いについても捜査する。




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