陸海軍 将官人事総覧 [帝國陸軍 編制総覧] 外山 操 編纂 明治建軍以来大東亜戦争終戦までの約80年間、日本の国運発展に寄与した陸海軍の軍事史中、人事の面をとらえて明治、大正、昭和の歴史資料として永久に記録しようとするものにして、人物史を幾多の文献から徹底的に調査し製作に4年を費やした一大人事記録。 陸軍編・海軍編の2巻からなり『昭和軍事史叢書』に含まれる。
陸軍軍人 4445名 (兵科4021人 経理171人 軍医部184人 薬剤・獣医・技術・法務部 計69人)
海軍軍人 2320名 (兵科1605人 機関316人 主計科118人 軍医科129人 造船・造兵・造機・法務・施設・薬剤 計152人)兵科少将以上の全員と、主要各相当官の少将以上、陸士45期 海兵58期までの佐官若干名を掲載。
編者 外山操氏は、陸軍飛行学校出身で終戦時飛行第85戦隊所属だがいわゆる軍学校出身者の将校ではない。
終戦時 参謀本部支那事変史編纂部長・石割平造中佐(17期)の手によって焼却命令に背いて秘匿保管された資料を、戦後石割中佐に代わって保管(のち防衛庁戦史室に寄贈)し、陸軍の高官の知遇を得る。その後自営業を営むかたわら、陸海軍人の業績を独学で30数年にわたり専心研究した集大成である。
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なお姉妹編として『 帝国陸軍 編制総覧 』がある。
『将官人事総覧』が人名ごとの人事記録であるのに対し『編制総覧』は編制組織ごとの人事記録である。
井本熊男 (元大佐 陸軍大臣秘書官−第2総軍高級参謀 37期)を監修者として、上法快男 (芙蓉書房社長 元陸軍主計少佐) を企画・編集者として、執筆を森松俊夫 (元少佐 防衛研修所戦史編纂官 53期) と外山操 による合同労作である。戦後資料の多くが消失してしまい、『編制総覧』も『将官人事総覧』同様内容に不備が少なくない。しかし通読する図書ではなく明治維新から帝国陸軍の崩壊に至るまでの経緯を知るための一種の歴史辞典であり、軍制史や軍事史研究上広く利用できる二次史料としては有益である。なお載録された人名は約 5万人にのぼる。
どちらも軍事史研究の必須資料であろう。
日本陸海軍の制度・組織・人事 日本近代史料研究会 編纂 日本近代史料研究会は、東京大学を中心とする近代史研究者によって昭和42年に設立され、近代日本の政治・外交・軍事の各分野にわたって原資料の発掘、収集、整理等を通じて共同研究を進めてきた。
その課程において日本陸海軍の基礎的研究が遅れていることを痛感し、人事を中心とする制度・組織の基礎資料を集成することを計画。既に個人的に集積していた秦郁彦氏を主務者として昭和43年秋から作業に着手、2年半の研究作業ののち東京大学出版会から刊行されたものである。陸軍軍人819人 海軍軍人403人 計1222人の軍略歴
陸海軍主要職務 約850の変遷
陸海軍主要学校卒業生一覧 ほか以上について、偕行社・水交会・防衛庁をはじめ厚生省援護局、総理府恩給局、各都道府県当局より資料の閲覧を許可され、加えて多数の軍関係者の協力をもとに、文部省研究成果刊行費補助金の交付を得て作製された、学術書としての公的要素の強い資料集である。
帝国陸海軍事典 同成社 刊 帝国陸海軍の制度を機構的に整備された昭和期を中心に、軍隊研究への基礎資料となるように編集されたもの。編者が「兵士の眼で検討する上での参考」とされているように、平易かつ正確を期して記述されている。
@−制度(兵役・機構) A−組織(編制・動員・補充) B−生活(内務班・思想対策) C−戦略・資料(主要法令集・用語集など)
からなり、法制的に解説するとともに軍隊の生活実態を理解するための資料を紹介し、帝国陸海軍を冷静に歴史の場から分析する視座を築く素材たらしめようとの意図に基づいて編集された事典である。