鉄鋼大手の住友金属工業は、鉄道用の車輪の製造などを手がけるアメリカの大手車輪メーカーをおよそ270億円で買収し、アメリカで計画されている高速鉄道プロジェクトの受注を目指すことになりました。
発表によりますと、住友金属工業は、大手商社の住友商事とともに、アメリカの車輪メーカー「スタンダードスチール」を親会社から3億4000万ドル(日本円でおよそ270億円)で買収することで合意しました。スタンダードスチールは、およそ200年の歴史を持つ鉄道用の車輪や車軸のメーカーで、年間30万枚の車輪を生産する大手です。アメリカでは、各地に高速鉄道網を整備する計画が進められており、耐久性の高い高品質な車輪の需要は、2020年までに今の3倍以上になると見込まれています。住友金属は、今後、スタンダードスチールに高品質な車輪の製造機械や製造技術を移転し、北米での高速鉄道プロジェクトの受注を目指したいとしています。今回の買収について住友金属工業の野木清孝専務は「日本の技術を導入すれば受注が増えると期待している。高速鉄道プロジェクトで多くの受注獲得を目指したい」と話しています。