ドラッグ運び屋に70代“老人チーム”が存在するワケ 

★犯罪集団化する[闇老人]が急増中

2011.04.05


’10年に成田空港の覚せい剤押収量は約232kgと過去最多に【拡大】

 成田空港における覚せい剤の押収量が過去最多を記録し続けるなか、今年2月、驚くべき密輸グループが摘発された。

 主犯格は50〜60代の男3人。だが、実際に海外から日本国内に持ち込む「運び屋」として起用されたのは、70代の高齢者ばかりのグループで、その数は実に約10人という大所帯だったのである。

「今、ドラッグの運び屋業には“高齢者チーム”なるものが存在する。今回の密輸事件のようにハローワークで職を探す高齢者のなかからスカウトして、運び屋にするんだ」とは、覚せい剤の密輸事情に詳しいプッシャーのAだ。

「外国人を運び屋にした密輸は結局、中抜きするマフィアなどが存在することで高くつくし、税関署員の目も厳しく検挙率が高い。そこで、密輸グループが注目したのが、覚せい剤の密輸なんてやりそうもない女や老人。税関でチェックされにくいってことは、密輸グループからすればリスクを分散する必要がなくなる。つまり、『1人にたくさんのネタを持たせられる』ってことになるわけ。実際、逮捕された密売老人の持っていた覚せい剤の量って5kg(末端価格約4億円)とかスゴいでしょ? 老人は安くたくさん運ばせることもできる。最高の運び屋だよ!」

 こうした高齢犯罪者の増加はドラッグ事案だけではない。

 法務省発表の犯罪白書によれば、65歳以上の刑法犯検挙人員は、ここ20年で7倍以上に増加。その背景には「高齢者の貧困化」などが指摘されている。

「増えた理由としては、確かに年金暮らしでカネに困っているから“雇用”しやすいというのもある。でも、一番の理由は運び屋のように『老人だから有利に進められる犯罪現場』の需要が高まっているからなんだよ。老人をターゲットにした犯罪なら、同じ老人のほうが騙しやすいだろ。彼らを組織内に組み込むことで、かなりやりやすくなった」(強盗団OB・S)

 そこには「高齢者を共食いさせる裏社会のビジネスモデル」が存在するということか。高齢者犯罪の現場を覗くと、かなり悪質な犯罪が横行する実態が見えてきた。【続きを読む】

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