団塊世代が“詐欺トーク”で活躍 悪徳訪問業は裏稼業の入り口

★犯罪集団化する[闇老人]が急増中

2011.04.06

 ■悪徳商法営業マン

 高齢者宅を狙い、飛び込み営業。高額の耐震リフォームや屋根裏・床下診断、シロアリ駆除や床下換気扇の設置などを押し売る悪徳訪問業者は、一向に減る気配を見せない。そんななか、悪徳商法の営業マンに退職後の団塊世代が続々と「再雇用」されているというのだ。

「この業界は、もともと体力と押しの強さが勝負と言われてきましたが、団塊世代の営業マンは騙す側の高齢者と年齢も近く、若い営業マンとツーマンセル(2人1組)で回らせることで大きな成約率を出すことがわかってきた」とは、悪徳訪問リフォーム会社社員のT。採用される団塊世代の営業マンは、退職まで犯罪歴などもなかった低所得や早期退職のサラリーマンなどが多い。

「働く気は満々なんだけど、シルバー人材センターで求人を斡旋してもらう年齢でもないし、そんなところじゃ大して稼げない。暇を持て余して飲み屋にいるところをスカウトされて、業界に入るなんて人もいますよ」

 営業経験のない人も多いため、基本的には“飛び込み”は若手が担当。高齢者はその後の詐欺トークで活躍するという。

「さすがに人生経験は豊富なので、トークはうまい。それに同世代だから話も合うんですよね。そこに付け込んで、耐震補強などの契約を取れた高齢者宅に、布団や浄水器、高額の地デジチューナーを次々と売りつける、『システム訪販』と呼ばれる手口を仕掛けるんです。訪販に入った先で『こんな押し売りに遭った』と言われれば、その商品を安く買い取ってあげる代わりに『ウチの商品を……』なんてこともするんです。罪悪感よりは、定年後に再び一線でカネを稼いでるって喜びを感じる人が多い。それまで真面目に働いても稼げなかった人ほど、ハマるんですよね」

 だが、真の問題は高齢者がこうした営業を続けるうちに、本当の裏稼業の誘いを受け、徐々に違法性の高い仕事をするようになること。Tいわく「訪問営業は裏稼業の入り口にすぎない」と言う。

「具体的には、自宅に眠る宝飾品の金含有率などをその場で鑑定し、安く買い叩く『買い取り詐欺』の営業や、代引き詐欺の実行員など。高齢者であることを逆利用して、シルバー人材センターの職員と騙り、庭木の剪定代などを前金で請求して逃げるという手口などもある。ここまで来ると、もう歯止めは利かないですね」【続きを読む】

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