高齢者を騙す悪徳商法の代表的な手口として定番なのが、催眠商法(以下、SF商法)。無料プレゼントをエサに高齢者を集めて商品説明会を開き、その場の雰囲気で高額な布団や健康用品などを押し売るというものだ。そのSF商法を各地で行う“サクラ旅団”なる高齢者集団が存在するという。
「そもそもSF商法の講演会は同じ日にいくつもの会場で時間差で行われることが多い。その会場にサクラの高齢者を紛れ込ませるため、組織してマイクロバスで説明会会場を次々と回るんです。サクラと言っても報酬は各会場でもらえる無料プレゼントだけ。それでも一つの地域で何十人もサクラを組織できることもありますね」(SF商法業者)
サクラの高齢者たちは悪徳商法の片棒を担いでいる意識があっても、たった数百円の景品のために協力を惜しまないのだとか。
「自分が得をすれば、目の前で人が騙されても平気。もう日本の高齢者にモラルなんかないですよ」
取材・文・撮影/鈴木大介