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東日本大震災:震災遺児、半数が母子家庭 保護者の3割無職--あしなが育英会調査

 東日本大震災で親などの保護者が死亡・行方不明となった震災遺児世帯のうち、半数が母子家庭となっており、次いで父子家庭が3割、両親ともいない世帯も2割に上ることが27日、あしなが育英会(東京都千代田区)の調査で分かった。また、保護者で働いているのは6割にとどまり、17%が非正規雇用、9%が求職中だった。同会は、最終的に遺児の数は2000人を超えると見ており、さらなる支援を呼びかけている。

 同会は、東日本大震災の遺児のための特別一時金(0歳~大学院生対象)について、5月31日時点の申請データ(707世帯、1120人)を分析した。遺児世帯の内訳は母子家庭が350(50%)で最多、父子家庭217(31%)と続き、両親とも失った場合など父母以外が保護者の家庭は139(20%)だった。

 遺児の年齢は就学前137人(12%)▽小学生346人(31%)▽中学生242人(22%)▽高校生252人(23%)で、阪神大震災時よりも小学生の割合が約8ポイント高かった。

 保護者の就労状況は、正規雇用38%、非正規雇用17%、自営業9%だが、32%が仕事に就いておらず、うち9%が求職中という。家族構成も不安定で、母子家庭で母を亡くした会社員の姉(19)が、専門学校生の妹(18)の保護者になっているケースもあった。

 同会は阪神大震災時、独自に全戸調査を実施し、573人の遺児を確認した。今回、同会と合同で調査した副田義也・筑波大名誉教授(社会学)は「阪神と同じ傾向であれば、今回の震災の遺児は2000人に達するのではないか。住宅被害も深刻で、総合的な救済策が求められる」としている。【福田隆】

毎日新聞 2011年6月28日 東京朝刊

 

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